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子連れバンコク旅行記(9) 3日目 天空の寺。「今からどこに行きましょうか。お寺に行ってみませんか?面白そうなお寺があるんです。」 一体どんなお寺かと思ったが、都会の人いきれにも疲れた。お寺の静けさに浸るのも悪くない。 さっとタクシーに乗って到着したのは、天空の城のような不思議なお寺。 バベルの塔のように小山の周囲をぐるりと階段がついており、それをずっと登っていくと、頂上にパゴタ(仏塔)が見える。 「頂上からはバンコクの街一望ですよ。 でも、登るんですよね・・・。 悠大君はどうしましょう。」 「おんぶ紐だすよ。」 悠大を背負って長い階段を上るのは辛いが、高いところは好きだしなんだかワクワクする。 「あ。今日に限っておんぶ紐忘れた~!まぁ、いいよ。登ってみるよ。」 ベビーカーは折りたたむとコンパクトで軽い。彼女に持ってもらって私は悠大を抱えてすこし登った後、これではとてもダメだ、と10キロ弱の彼を肩車にしてひたすら階段を登り始めた。 途中、自由に鳴らせる鐘がある。 気分転換に鳴らしてみるも、休むことはせずに一気に登っていった。少しでも休んだら動けなくなりそうだからだ。 ハァハァ言いながら登る母とは対照的に悠大はこれ以上ないくらいゴキゲン。 そりゃそうだろう、大好きな肩車で自由に見渡せる周りの景色も最高なんだから。 下から見上げて想像したよりは簡単に、上のお寺にたどりついた。 「ついた~!!!」 私は悠大を下ろしてひんやりとした床にへたり込み、持っていた扇子でパタパタと扇いだ。 汗が吹き出て止まらない。 悠大はうれしそうに勝手にはいはいして動く。 若いお坊さんに時折あやしてもらいながら。 外はいい景色だ。 まさに360度バンコク一望。上から見渡すと、バンコクがいかにお寺の多い街かよくわかる。 「この上に行けるんですよ」 、と彼女が行くので狭いらせん状の階段を登っていったら 「わーーー!!!」 開放感あふれるその場所は、清清しいタイル張りの床の上に金色に光る大きなパゴタが天に向かってそびえていた。 心地よい風が吹き抜ける。 気持ちいい・・・・。 私はペタンとその床に座り込み、悠大を勝手に遊ばせくつろいでいた。 「オー。サムライ」 甚平を着ている悠大は外国人にはウケがいい。 彼も気持ちよさそうに這い回っていた。 天空の寺。 登るのは疲れたが、苦手な都会の喧騒から解放されて心がすっかり軽くなり、不思議と体の疲れも癒された。 降りるのは簡単。 肩車しながらカメラを構えて写真を撮っていたら、「起用ですね」 と日本人の男性に声をかけられてた。 そういえばバンコクに来て他の観光客に話しかけられたのは初めて。 なんだか清清しい気分になる、そんな寺だった。
by nokonokoblog
| 2007-04-11 01:23
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